今知っておきたい「デジタル化×SDGs」17項目別の具体例

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、国連が2030年までの達成を目指して定めた17の国際目標で、貧困・教育・気候変動など、地球規模の課題解決を目的としています。近年、企業にもその達成に向けた貢献が求められるなか、ITやデジタル技術が果たす役割に注目が集まっています。今回は「デジタル化」がSDGsの各目標に対して、どのように寄与できるのか具体例を紹介します。
まず、SDGsは次の17の目標によって構成されています。皆さんはいくつご存じでしょうか。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
企業にとっても、SDGsへの取り組みは社会的責任(CSR)の一環として重要視されています。そのため、持続可能なビジネス戦略やESG投資(環境・社会・ガバナンス)との連携がますます注目されてるといえるでしょう。
■デジタル化がSDGsに貢献する例■
デジタル技術の活用は、社会課題の解決や持続可能な社会の実現に向けて大きな力となります。企業や社会がデジタル化を推進させることによって、どのような部分でSDGsに貢献できるのか、現在様々な業界で掲げられている例を項目別に紹介します。皆さんの会社や組織と関連のある事例もあるかもしれません。ぜひ参考になさってみてください。
【SDGs 1】貧困をなくそう
・モバイルバンキングやデジタル決済により、金融サービスを受けられなかった層もアクセスが可能に
・求人プラットフォームで、遠隔地の人々にも雇用の機会を提供
【SDGs 2】飢餓をゼロに
・AIやIoT( Internet of Things:モノのインターネット) を活用したスマート農業で、生産効率の向上とフードロスの削減
・製品の原材料調達からエンドユーザーの手元に届くまでの一連のプロセスであるサプライチェーンの可視化により、食品の適正供給が可能に
【SDGs 3】すべての人に健康と福祉を
・テレメディスン(遠隔医療)やヘルスケアアプリにより、医療へのアクセスが向上
・AIによる病気の早期診断や、パンデミック時のデータ活用が可能に
【SDGs 4】質の高い教育をみんなに
・オンライン教育プラットフォームで、地理や経済の壁を越えた教育を提供
・AIを使った個別最適化学習による教育の質を向上
【SDGs 5】ジェンダー平等を実現しよう
・女性への教育・起業支援の機会をデジタルで提供
・SNSを通じたジェンダー平等の啓発活動
【SDGs 6】安全な水とトイレを世界中に
・センサー技術による水質監視や漏水のリアルタイム検知
・データ分析により、水資源の最適管理を支援
【SDGs 7】エネルギーをみんなに そしてクリーンに
・スマートグリッド(電気の利用量や利用方法を即時にデータで把握・分析し、需要バランスを最適化する次世代型のエネルギーシステム)やIoTで再生可能エネルギーを最適化する
・ブロックチェーン(取引履歴情報を暗号技術によって鎖のように連結させ、正確な取引管理を維持するシステム)による、エネルギー取引の透明化
【SDGs 8】働きがいも経済成長も
・リモートワークや副業プラットフォームの拡大
・自動化による業務効率の向上
【SDGs 9】産業と技術革新の基盤をつくろう
・製造業や物流のデジタルトランスフォーメーション(DX)
・AIや5Gによる次世代インフラの構築
【SDGs 10】人や国の不平等をなくそう
・デジタルアクセスの普及による情報格差の是正
・国籍や年齢、性別など関係なく使用できる翻訳技術やアクセシビリティ(製品やサービスの使いやすさ)の向上
【SDGs 11】住み続けられるまちづくりを
・スマートシティ技術で交通、エネルギー、廃棄物を最適化
・災害予測と迅速な対応をデータで支援
【SDGs 12】つくる責任 つかう責任
・商品ライフサイクルの可視化や、商品がいつ・どこで・誰によって作られたのかなど原材料調達から生産、流通、消費までの履歴を追跡できるトレーサビリティの強化
・サステナブル製品のプロモーションにEC(Electronic Commerce:電子商取引)を活用
【SDGs 13】気候変動に具体的な対策を
・衛星データやAIにより気候変動の監視と対策が可能に
・エネルギー効率の最適化でCO2排出削減
【SDGs 14,15】海の豊かさを守ろう / 陸の豊かさも守ろう
・ドローンやAIによる森林破壊や違法漁業の監視
・生態系保全のためのリアルタイムデータの活用
【SDGs 16】平和と公正をすべての人に
・デジタルIDや電子投票により行政の透明性向上
・ブロックチェーン(取引履歴を暗号技術により鎖のように過去データ含めて連結させ、正確な取引履歴を維持する仕組み)で記録改ざん防止
【SDGs 17】パートナーシップで目標を達成しよう
・クラウドやデジタルプラットフォームでグローバルな連携を強化
・国や地方公共団体が公開している、誰もが利用可能なオープンデータを活用し、知識と最善の方法を共有
このように、企業や社会のデジタル化が広まることによって、効率性の向上・情報へのアクセス強化・グローバル連携も推進され、SDGs達成の強力な推進力にもなります。同時に、デジタル格差や個人情報保護への配慮も企業の取り組みとして不可欠になってくるといえます。
Markefan株式会社もひきつづきSDGsを意識した取り組みを行ってまいります。