マーケティングオートメーション(MA)とは

    みなさんはマーケティングオートメーションという言葉を聞いたことはあるでしょうか。マーケティングオートメーションとは従来行ってきたマーケティング活動をデジタル技術を活用して自動化・効率化していくことを指します。そしてこのマーケティングオートメーションを実現するITツールが「マーケティングオートメーションツール(MAツール)」と言われており、昨今注目度が高まっています。

     

    MAツールでできること3選

    企業のデジタル化が急速に進む中でMAツールの注目度も年々高まっていますが、実際にMAツールでどんなことができるのかという質問に対して、MAツールでできることが多すぎるが故に、的確に答えることは難しいかもしれません。そこで、ここでは具体的にMAツールでどんなことができるのかいくつか代表的な例を挙げて紹介したいと思います。

     

    見込み顧客の獲得

    新しいビジネスを始める、新規事業を強化したい、既存サービスの利用者をもっと増やしたい、ビジネスを拡大していくプロセスの中で欠かすことができないのが「見込み顧客の獲得」です。そしてこの見込み顧客とは、一般的には氏名や連絡先等の顧客情報をまだ獲得できていないが何かしら自社の商品・サービスに興味を持ってくれている顧客のことを指し、潜在顧客とも言われます。Webサイトを訪問したり広告を見てランディングページをみてくれたりと、自社に興味を持ってくれてはいるものの、まだ資料請求やお問い合わせ(=顧客情報の獲得)までには至らない状態です。顧客情報を把握できていないため、企業側からこれらの見込み顧客にアプローチすることは難しいと言われていますが、MAツールの機能でうまく見込み顧客を獲得していく機能をご紹介します。

    ポップアップによる誘導

    「ポップアップ」とはWebサイトを閲覧している時に同画面内にご案内やクーポンなどが自動的に表示させるWebコンテンツです。ポップアップを利用する大きな利点は「特定コンテンツの訴求力を高める」ことにあります。例えば、価格表のページを閲覧している見込み顧客に対して、導入事例のDLができるポップアップを表示させたりと、興味を持ちそうなコンテンツを自動的に表示させることができます。積極的にこちらからアクションを起こすことで、資料請求等の顧客情報獲得に繋がる大きなきっかけとなります。見込み顧客を逃さず適切なタイミングで顧客を誘導します。

    ランディングページの運用

    「ランディングページ」とは自社の特定のサービスや商品を1つのWebページで完結するように情報をまとめて、最終的にはそのページ内で顧客のアクション(例:アンケート回答や購入申込み等)に繋げていくためのWebコンテンツです。Web広告などと掛け合わせて運用することで、ページビュー数が増えます。多くのMAツールではランディングページを簡単に作ることができるようになっており、ページ制作から公開・分析まで一貫して運用することができるため、見込み顧客を獲得する入口のみならず獲得した後の行動も細かくトラッキングできる点がMAツールの大きな利点です。

     

    検討度合いの向上

    数年前に名刺交換をして以来連絡を取っていない、社内のリストに対してセールスがアプローチしているが特に成果が生まれない、そんな状況に直面したことはないでしょうか。このような課題に対して有効的な戦略が「検討度合いの向上」です。見込み顧客がすぐに商品・サービスを購入することは少なく、徐々に検討度合いが高まりある一定の時点で購入を決断するケースがほとんどです。しかし、検討度合いの向上には各顧客のニーズ把握や継続的に顧客とコミュニケーションをとる必要があり、時間とコストを要します。そこでMAツールの出番です。検討度合いの向上にはMAツールのどんな機能が使えるのか紹介していきます。

    顧客のグループ分け(セグメント機能)

    いわゆる顧客管理の機能になります。どの顧客がどんなニーズがあるのかを把握することは効率的な営業・マーケティング活動を行う上で欠かせないことです。多くのMAツールにはマーケティングの基礎となる顧客管理の機能があり、顧客のステータス(例:業種、売上規模、担当者等)に応じてグループ分けし、煩雑な顧客管理を容易にしてくれます。グループとなる条件を一度設定することで、次回以降その条件に該当する顧客は自動的にそのグループに入るため、管理の面でも大きなメリットがあります。

    パーソナライズされた自動配信メール

    現代でも欠かすことができないコミュニケーションツールである「メール」ですが、使い方を間違えるとブランドイメージ低下や顧客離れに繋がりかねません。また、営業やマーケティングにおけるメール配信業務は作成や配信に時間もかかり、大きな負担となっているかと思います。MAツールにはメールのテンプレートが用意されており、定型的なシナリオに沿ったメールを自動で配信する機能があります。一度設定しさえすれば、自動的にメールが配信されます。例えば、Web上で資料請求があったような時です。従来であれば営業がメールを手動で送信していたところを、MAで自動配信に代替することができます。また、顧客の動的アクション(例:メール開封、Webページ訪問等)を起点にメールを自動配信することも可能で、業務を効率化するだけでなく、顧客の検討度合いを適切なアプローチで向上させることが可能です。また、一斉配信した際にも受信者の会社名や氏名が自動的に表示される機能もあり、メール特有の無機質さを感じさせないメールコンテンツの配信が可能です。

    検討度合いの可視化

    顧客の検討度合いを向上させていくと同時に、どの顧客がどれくらい興味を持ってくれているのか確認する必要があります。各顧客の検討度合いを把握するときに抽象的な測り方はしていませんか?顧客と直接コミュニケーションをとる営業担当者の肌感だけで検討度合いを測ってしまうと、本当のニーズを見落としてしまう可能性があります。そんな時に役に立つのが「検討度合いの可視化」です。従来であれば担当者の肌感や感覚で検討度合いを測ってしまいがちですが、MAツールを活用することでデータに基づいた検討度合いを可視化することができます。

    スコアリング機能

    文字通り顧客の検討度合いを数字として可視化する機能です。MAツールで行うマーケティング戦略(メール配信やランディングページ運用・Webサイトトラッキング)などの反応を元に点数化することで、数値が高い顧客のみをリストアップし効率的に営業活動を行うことが可能です。スコアの設定は自社のシナリオに沿って設定したり、最近ではAIを活用したスコアリング機能なども生まれています。

     フォームによるアンケート回収

    顧客目線の意見や考えを知るには、直接顧客に聞くことが一番の近道です。すでに自社の商品・サービスを使っているユーザーだけでなく、これからユーザーになりうる顧客の声を知ることで、本当に顧客が求めているものを実現できます。これを実現させる機能として「フォーム」があります。MAツール内で簡単に作成することができ、フォームの質問項目も自由自在にカスタマイズできます。

     メール配信ツールとの違い

    MAツールの導入を検討するときに頻繁に比較されるのが「メール配信ツール」です。特にBtoBのビジネスを行っている場合は、マーケティング戦略の中心となってくるのがメールとなり、比較対象に上がりやすくなっています。一見、メール配信ツールの方がコストも低く、導入ハードルが低く見えるのですがもちろん両者には根本的に違う側面があります。それは「目的」です。メール配信ツールの目的は「メールの配信」となることが一般的である一方、MAツールの目的は「マーケティングの自動化」です。両者の目的の違いはそのまま導入する企業側の「導入目的」に直結します。この目的をしっかりと理解しておくことで、導入後のギャップがなくなり効果的な運用を実現できます。

    ◆メール配信ツールのメリット

    ・低コストで始めることができる

    ・多くのメールを一斉に配信することができる

    ・メールの開封状況を確認できる

     

    こんな方におすすめ

    ・とにかく低コストでメール配信したい

    ・メールマーケティングだけをやりたい

    ・高度なマーケティングは不要でシンプルに行いたい

     MAツールと相性の良いITツール

    MAツールの目的は「マーケティングの自動化」であり、デジタル技術を活用して効率的なマーケティングの運用を行っていくことができます。昨今、多くの業務でデジタル化の波が押し寄せており、マーケティングだけでなく全般的な業務のデジタル化を全社的に進められている企業も多いかと思います。そこで、MAツールと併用して活用されることの多いITツールをいくつかご紹介したいと思います。

     

    CRM(顧客管理システム)

    名前の通り、自社の顧客をデータベース上で管理していくツールです。顧客の属性を細かく登録して漏れのない顧客管理を行ったり、顧客属性ごとにグループ分けしたりと営業・マーケティングを行っていく上で欠かせないシステムです。従来であればエクセルやGoogleスプレッドシートで管理していたものを一つのシステムに統合することで、データ管理のセキュリティ向上・担当者変更時のシームレスな引き継ぎなどを実現することができます。最近ではクラウド上で管理されるものが多く、メンバー間での情報共有も容易となります。MAツールとセットで利用されることが多く、最新のMAツールにはCRM機能が標準機能として備わっていることもあります。

    SFA(営業管理システム)

    自社の営業チームにおける全体的な業務管理を行うツールです。具体的な機能としては、営業の案件管理や売上予測などがあります。多くの営業メンバーを抱えるチームでは誰が今どんな案件を担当していて、その進捗度合い、成約見込みなど細かく管理することが非常に重要です。営業担当者にとっては逐一記録を残しておくことで自身の営業活動の把握に繋がり、マネージャー層にとっても全体的な営業進捗の管理ができるため上層部への売上レポートやチームメンバーの管理が容易に可能です。MAツールは主にマーケティング部署で利用されるツールですが、このSFAは営業チームに導入されることがほとんどです。部署こそ違いますが行っている業務としては非常に関連性が高く、マーケティング部で見込み顧客を獲得し検討度合いを向上させる施策を実行した後に営業チームに取次など、マーケティングとセールスは切っても切り離せない存在です。そのため、MAツールとSFAを併せて活用するケースも非常に多く見受けられます。

     MAツールの種類

    MAツールを導入する目的もある程度定まってきて、実際にどのMAツールニしようかと考え始めたときに直面するのが「どのMAツールにするのか?」という問題です。現在日本で提供されているMAツールとしては40種類以上あり、どのMAツールにすれば良いのか非常に悩ましいところです。自社に最適なMAツールを選択することが導入後も効果的に運用するための大きな要因となりますので、ここでは大きく2つに分けてMAツールの種類をご紹介し、それぞれどんな企業に向いているのかご案内します。

     

    BtoC向けMAツール

    個人消費者向けにサービスを提供しているビジネスに特化したMAツールになります。大きな特徴としてはメール以外のコミュニケーションツールとしてLINEなどのSNS機能が豊富に使えたりと、個人消費者との接点を多く持てるような機能が充実しています。小売業や不動産業など、個人消費者との接点がほとんどのビジネスの場合に適しています。

     

    BtoB向けMAツール

    法人間取引がほとんどのサービスを提供しているビジネスに向いているMAツールです。顧客とのコミュニケーションは基本的にメールであればBtoB向けのMAツールを導入することをおすすめします。

     

    大きく分けるとこの2つになりますが、他にも各社の特徴があり見込み顧客の獲得に力を入れていたりAI機能が備わっていたりと、自社がMAツールを使って何を行いたいのか明確にすることで最適なMAツールを選択することができるでしょう。

    MAツールの一般的な機能

    序盤でMAツールでできることを紹介しましたが、具体的にはどんな機能が備わっているのかご存じでしょうか。MAツールのベンダーWebサイトを見てみると多くの機能が解説されていますが専門的な用語が含まれていたり初めてMAツールの導入を検討している方には少し難解かもしれません。そこで難しいというイメージがついてしまうと導入ハードルも高くなってしまいます。ここではMAツールの一般的な機能は誰でも分かりやすくご紹介していきたいと思います。

    顧客管理

    MAツールと相性の良いツールとして紹介したCRM(顧客管理システム)ですが、実は現在多くのMAツールに標準機能として顧客管理機能が備わっています。顧客の属性を登録したりグループ分けして管理をしたりと、必要最低限の管理はできるようになっています。

    メールコンテンツ作成・配信・分析

    MAツールの軸でもあるメールはコンテンツの作成から配信・分析まで一貫して行うことができます。普段よく利用する文章だけのメールであるテキストメールや、画像などの装飾を施したHTMLメールを作ることができます。配信設定についても日付を指定して特定の顧客に配信したり、配信後の分析(開封率やクリック率)も可能となっています。

     

    ランディングページ作成・公開・分析

    MAツールで作成することのできるWebコンテンツとしてはランディングページがあります。上述の通り、特定の商品・サービスを一つのページで紹介するWebページでWeb広告などと併用して使われることが多いです。Web知識がないと難しいのではないかと思われがちですが、多くのMAツールではノーコードで誰でも簡単に作ることができます。また、ページの公開から運用・分析まで一貫して行うことができるため、各リードのLP訪問状況などマーケティングに役に立つ情報を獲得できます。

    フォーム作成・運用

    こちらも上述の通り、見込み顧客獲得の入口として使われるフォーム機能を作ることができます。Googleフォームをイメージすると分かりやすいとおもいます。フォームで入力された顧客情報はMAツール内の顧客データベースに自動的に連携されるため、シームレスな顧客管理を実現します。また、顧客獲得としてでなく、アンケート回収やセミナー申込フォームなど、用途は幅広くアイデア次第で様々な活用ができます。

    オートメーション機能

    マーケティング活動を自動化していく機能全般をオートメーション機能といい、MAツールの本来の目的である「マーケティングの自動化」を実現する機能です。一般的なオートメーション機能を一つずつ紹介していきます。

    ・スコアリング

    上述の通り、顧客の検討度合いを数値化して成約率の向上・効率的な営業活動につなげていくための機能です。メール開封やWebサイト訪問など、顧客の特定の行動を条件としてスコア設定を行い、その条件に該当したときに自動的に当該顧客にスコアが割り振られます。マーケティングを行っていくとこのスコアが徐々に上がっていき、どの顧客が自社のマーケティング活動によく反応しているか可視化することができます。

    ・ステップメール

    顧客の行動に合わせてタイムリーにメールを配信していく機能です。例えば、メールAを開封した顧客にはその開封日から3日後の12時にメールBを送る、といったメール配信の仕方をするときに活用します。顧客行動に合わせて的確にコンテンツを提供することで効率的に検討度合いを高めていきます。

    ・アラート

    これは社内の担当者向けのアラートです。例えば、ある見込み顧客が自社Webサイトの価格ページを訪問したとします。そのときに当該ページを閲覧していることを担当者に通知する、といった機能です。このアラートにより、担当者はタイムリーに見込み顧客にアプローチすることができ、かつセールストークのきっかけにもすることができます。

    Webサイト分析

    MAツールには自社のWebサイトを紐づけることができ、全体のページビュー数や各ページの閲覧数などを確認することができます。基本的にはGoogle Analyticsと同じものですが、大きく異なる部分は「顧客ごとのWebトラッキング」です。MAツールに登録されている顧客であれば、各顧客がWebサイトのどこを見ているか個別に確認することができます。

     MAツールを導入するメリット

    実際にMAツールを導入するとどんな効果があるのか、マーケティング・営業に変化はあるのか、導入するからにはメリットをしっかりと把握しておきたいと思われる方がほとんどかと思います。しかし、MAツールはその特性上、導入直後に大きな変化やメリットを感じるケースは少なく、長期的に運用していくことで日々の業務フローの改善や成約率の向上・売上アップへと繋がってきます。長く付き合うことになるツールであるからこそ、自社に最適なMAツールを選ぶことが成功への近道であります。 メリットを感じることができるのは少し先ではあるものの、一般的に得ることのできるメリットをご紹介します。

     

    ・マーケティング・セールス活動の自動化・効率化

    ・データに基づいたマーケティング戦略の実現

    Webマーケティングの強化(Webコンテンツ拡充)

    ・それぞれの顧客ニーズの理解・把握

     MAツールを導入するために必要な予算・準備期間

    ・予算

    無料から使えるMAツールもありますが、機能が限られていたりメール配信をすると余計なロゴがついてしまったりと実務で使おうとすると活用が難しいものがほとんどです。実際に実務上で運用するとなると一般的な予算としては最低でも月額3万円ほど必要になるケースがほとんどです。一見コストが低いように見えるツールであっても、使いたい機能はオプションとなっており、追加していくとかなり高額になるケースも多々あります。自社でやりたいことができる機能を備えたツールを探し出し、最適なコストパフォーマンスの実現を目指しましょう。

    ・準備期間

    MAツールでどこまで運用するのかによって大きく異なりますが、シンプルなメール配信が軸でスモールスタートしていく場合は導入後12週間程度、シナリオを組んで高度なマーケティングを行っていく場合は12ヶ月ほど要します。MAツールがうまく動いていくには、顧客登録やコンテンツの作成など導入時は多くの準備が必要になります。最初は少し大変ですが、一度運用がうまく動き出すとその後はその流れに沿って運用していくだけなので導入時が非常に重要ともいえます。

     MAツール導入への4つの心構え

    先述の通り、MAツールは導入後長期間運用することで効果が生まれ、基本的には長く付き合っていくツールになります。そのため、ツールを導入する目的や導入に向けた準備・何ができて何ができないのか、などMAツールを導入するにあたっては心構えが必要です。ここではMAツールを導入した後に導入前の認識とズレが起こらないように、気をつけておく心構えを紹介したいと思います。

    導入初期段階は少し大変

    マーケティングの自動化と聞くと、コンテンツの作成やメール配信・分析など今まで行ってきた全てのマーケティング活動がMAツールを導入した途端に自動化されると思ってしまいますが、これは間違いです。もちろん「マーケティングの自動化が目的のツールですが、自動化に至るまでにはコンテンツの準備やマーケティングシナリオの構築・配信設定など、導入初期段階では設定を行わなければならないことが多数あります。これらを行った上で初めて自動化が実現するので、導入直後にどんなタスクがあるのかあらかじめ把握した上で導入スケジュールを固めることが良いでしょう。

    導入効果を実感できるのは導入後1~2ヶ月

    MAツールのような業務をデジタル化するツールの導入を検討するとき、このツールを導入しさえすればすぐに効果を感じることができると思ってしまいがちです。しかし、MAツールはマーケティングの自動化という目的の特性上、導入による効果を感じることができるのは早くても1〜2ヶ月ほどかかります。運用フローの設定や顧客情報の登録、マーケティングシナリオの設定、テスト運用などを行っているとあっという間に時間が過ぎていきます。しかし、この初期段階での準備がしっかりできていれば、その後の運用はスムーズに流れていき業務フローの改善など大きな効果を実感することができます。

    導入する定量的なゴールを定めておく

    MAツールを導入することでチームとして何を実現したいのか、このようなゴールを具体的な数値で定めておくことがMAツール導入への近道です。例えば、見込み顧客の月間獲得数を前年比20%増にするなど、そのゴールは具体的かつ定量的なものでなければなりません。また、このゴール設定の際にはチームメンバーと話し合い、全員で共有しながら決めていくことも重要です。各メンバーの考え方は異なるため、リーダーが各意見をまとめ上げ最終的なゴールを決めましょう。過去からの失敗や学びを将来の成功の糧とし、ゴールを設定していくことがMAツール導入成功への近道です。

    できること・できないことを把握しておく

    マーケティングの自動化という言葉はとても抽象的で、具体的に何ができるのかという点については軽視されている部分でもあります。各社のMAツールでできること・できないことは千差万別で、それぞれ得意な分野が異なります。自社でやりたいこと・実現したいことを明確にした上で、MAツールのできること・できないことと擦り合わせていくことが重要です。

     導入事例

    MAツールを導入している企業はどんな活用をしているのか、実際の事例を見てイメージを膨らませるためにいくつかの導入事例をご紹介します。

     

    BtoB事例

    未活用の顧客データを再活用し、マーケティング・セールスを自動化

    今まで営業が集めた名刺のデータをMAツール にインポートし、HTMLメールを配信したところ予想以上の反応を得たため、メール配信回数を増やした結果、⾃社サイトへの訪問者数が⼤幅に増え、カタログのダウンロード申請数も増加。カタログをダウンロードした担当者に営業部隊がコンタクトし、効率的な新規顧客獲得を実現。また、資料請求フォーム付きのランディングページを作成し、リスティング広告に使⽤。顧客が請求フォームを送信すると営業部隊に通知が送られるように設定(アラート機能)することで、営業部隊が資料請求者にタイムリーにフォローアップできるようになった。しかし、請求フォームの数が増えてくると営業部隊がフォローしきれなくなったため、請求フォーム送信者に請求された資料に関するメールを⾃動的に送る設定(ステップメール)に変更。営業が⾒込み度の⾼いホットリードに集中できるようになった。こうした施策の結果、MAツール導⼊後1年で売上が⼤幅に増加。
     
    BtoB事例

    限られたリソースの中、オンラインセミナーの運用

    社内にマーケティング部⾨がなく、営業部⾨がマーケティング業務も兼務しているというリソースの制約がある中、コロナウイルスの蔓延で新規リード獲得の重要な機会であった展⽰会が開催されなくなり、新規リード獲得機会が⼤幅に減ってしまっていた。展⽰会が開催されない中、効率的に新規顧客獲得活動を⾏うためにMAツール を導⼊。オフラインの展示会からオンライン展示会やセミナーに戦略を切り替え、MAツールを使ってランディングページとフォームを活用した集客ページを作成。過去の顧客データに対してそれらの案内を配信することで参加者を⼤幅に増やし、また、セミナー・展⽰会開催後もステップメールを使ってフォローアップを効率的に⾏うことができた。こうした活動を通じて、コロナ禍でありながら売上の増加に繋げることが出来た。
     
    BtoC事例

    ECサイト会員との継続的なコミュニケーションによる購買率向上

    運営するオンラインショップで定期的に会員は獲得できていたが、初回の購入で終わってしまう顧客層が一定あり、会員の購買率を向上させるためにMAツールを導入。サイト上で顧客が購入した商品のデータをMAツールと連携することで、誰がどんな商品を買っているのか分析を行い、各顧客の趣味嗜好に合わせたメールコンテンツを配信。コンテンツ内のリンクをクリックした場合は、購買意欲を高めるために自動的にクーポンが配信されるよう設定し、購買率の向上に成功。また、継続的に会員とコミュニケーションを取ることにも活用しており、定期的なメルマガ配信などを通じて常に自社の商品を認識してもらう部分をMAツールで自動化・効率化している。
     
    BtoC事例

    伝統的な営業手法からデジタル営業へ変革

    個人向けの保険販売は対面での営業がメインであり、人と人の関係が成約率のカギとなっている。しかし、営業人員の不足やネット保険の台頭などで効率的な営業活動を求められてた。そこで、検討度合いはあまり高くない顧客に対してはデジタル営業を実践しようというゴールの元、MAツールを導入。顧客層は比較的年齢層が高く、SNSよりもメールをよく見る層だったためメール配信でのナーチャリング(検討度合いの向上)を実施。メール開封やリンククリックなどを条件にスコアリングを行い、スコアが一定値までに達した見込み顧客のみに対して営業担当が直接アプローチするプロセスを取ることで、営業活動の大幅な効率化を実現することができた。

    MAツールの導入検討をした方がよい企業

    営業やマーケティング人材が足りていない企業

    MAツールは「マーケティングの自動化」を実現するツールであるため、ある程度のマーケティング活動はMAツールがカバーしてくれます。そのため、営業やマーケティングの人材獲得に課題がある企業は導入を検討しましょう。マーケティングの自動化が目的であれば営業担当者は別に必要ではないかと思われるかもしれません。しかし、マーケティングを自動化することは自社の商品・サービスに対して興味度合いの高い見込み顧客を効率的に見つけることができ、これはそのまま効率的な営業活動にも繋がります。そのため、少ない人材で大きな効果を出せることが可能です。

     

    闇雲な営業活動を変えたい企業

    過去に一度も接点がないような顧客に対してテレアポイントメントや飛び込み営業を行っていても効率的ではありません。コロナウイルスの蔓延やテレワークの拡大により、このような営業手法はブランドイメージの低下にも繋がる恐れがあります。このような事態を避けるためにも、少しでも自社に対して興味がある顧客を見つけ出すMAツールを使い、効率的な営業活動を行うことが重要です。

     

    営業・マーケティングのDXを実現したい企業

    昨今話題の「DX」ですが、営業・マーケティングの分野においてもDXの波は押し寄せており、それを実現できるツールの一つがMAツールです。人材獲得コストの上昇・営業職不人気の流れは今後も避けることができず、今あるリソースを最大限活用していくためにはDXへの取り組みは欠かせません。このような課題は日本に9割以上を占める中小企業に大きな影響を与えます。DXは大企業が取り組むもの、と思っていては時代の波に淘汰されてしまいます。

    MAツールの導入に適していない企業

    新規顧客開拓を必要としない企業

    MAツールは見込み顧客の検討度合いを高めていき売上を拡大させていくことがマーケティングの自動化の向こうにある最終的なゴールです。そのため、現状の顧客との取引で十分であったり、案件が多くこれ以上仕事は引き受けることができないような状況に企業であれば、MAツールを導入する必要はありません。

     自社に最適なMAツールを選ぶ3つのポイント

    MAツールの導入検討を始めるきっかけは企業によって様々です。マーケティング・営業を効率化したい、マーケティングを強化したい、DXを進めたい、そのような想いを持ってMAツールの検討を始めていくかと思います。しかし、MAツールには様々な種類があるとお伝えした通り、選んでいくにも一苦労です。また、導入にはある程度のコストも必要なことに加えて長期的な運用が前提となるため、最適なMAツールを選択することがMAツール導入の成功に導くための最も重要な点です。自社に最適なMAツールを選択するポイントをまとめました。

    ゴールを実現できる機能が備わっているか?

    MAツール導入に際してゴールを定めることは重要とお伝えしましたが、このゴールを実現するための機能がそのツールに備わっているかどうかという点は必ず確認しておきたい点です。

    トータルコストは予算内で収まるか?

    コストの面は避けられない課題です。多くのMAツールはサブスクリプションモデルで毎月課金制度を設けていますが、どのような場合に追加コストが発生するのか、基本料金でどこまで機能を使うことができるのかという点は最初に把握しておきましょう。よくある例が、料金が安いからといって導入し導入後に使いたかった機能を利用しようとすると別料金が必要になるケースです。表面的に見えているコストではなく、自社でやりたいことを実現するにはどの程度のコストが必要になるのがトータルで検討するようにしましょう。

    サポート体制は整っているか?

    導入してもうまく運用できていないという事態は最も避けたい状況です。専門のコンサルタントがいる場合を除いて、自社で導入する場合はツールベンダーのサポートが欠かせません。操作面や活用方法など親身になって聞いてくれるサポート体制が整っているか、事前に確認しておきましょう。これはコストの面にも関わってきますが、料金が安いプランだとサポートが含まれていないケースもありますので、注意が必要です。

     Markefan MAとは?

    Markefan MAはマーケティング初心者でも簡単に使える次世代AI搭載型のマーケティングオートメーションです。AIが見込み顧客のリストアップをしたり、スコアリングをしてくれるため、始めてMAツールを利用する方にもおすすめです。また、低価格で全ての機能が利用できるため、トータルコストの把握がしやすい点も強みです。

    詳しくはこちらよりご確認ください。